病室とゲームと失恋と、叩きつけられる金属バッド
- 2025.01.10
- リンネストーリー
僕はいったい何者なのか?
泣き虫だった僕と、ドラマチックな家族の物語
僕は北海道の八雲町で生まれた。自衛官だった28歳の父と、服飾デザイナーの夢を諦めた母の間に。
二人とも霊感が強めで、なんだかちょっと不思議な家族だった。
生まれた時の僕は真っ黒で、「黒人みたいだ」と言われたらしい。
そのうえ、視界から母が消えるだけで泣き叫ぶ、ひどい泣き虫だった。
そんな僕に妹ができたのは2年後のこと。
だけど、順調にはいかなかった。
倶知安の病院の医者が両親に言った。
「残念ですが、お腹の中で死んでいます」
絶望した両親は病院の椅子で動けなくなったが
長万部(蟹飯で有名)から駆けつけた祖母が言った。
「まだあきらめるんじゃない!」
その一言で父はハッとして、車を飛ばして八雲の病院へ向かった。
スピード違反で警察に止められたけど、怒鳴り散らして無視したらしい。
八雲の医者はこう言った。
「安心してください、生きてますよ」
こうして妹は無事に生まれたんだ。
田舎の医者は本当に恐ろしい。
2025年、88歳になった祖母を妹と一緒にお世話している。
あのときの祖母の言葉がなければ、この未来もなかったと思う。
病弱で内向的な少年時代
妹は病弱だったけど、僕も病弱だった。
幼稚園の半分も通えず、布団の上で過ごす日々。脳波を測るために病院通いも続いた。
そんな環境で育った僕は、人見知りで引っ込み思案。
家では積み木やレゴで遊びながら、静かな時間を過ごしていた。
八雲で生まれた後、帯広、倶知安、札幌と父の転勤に合わせて移動した。
小学校に上がるころ、なぜか病気がなくなった。
普通に学校に通えるようになったけど、性格は相変わらず内向的。
ゲームが好きで、学校から帰ると家に直行してはテレビゲームばかりしていた。
外で遊ぶこともあったけど、あまり好きじゃなかった。
ある日なぜか父が金属バットを買い与え、僕はしたくもない野球に参加した。
同じチームの男の子たちがケンカを始めた。
一人が僕の金属バットで相手の自転車を何度も叩きつけるのを見て、僕は思った。
「世の中もこいつらもくそだ」
初恋と初めての挫折
中学2年生の時、僕は初恋を経験した。
同じクラスの女の子に、電話ボックスから告白したんだ。
忘れもしない、夕暮れのことだ。
自転車で出かけて、電話ボックスの中で震えながらこう言った。
「好きになったんだ」
返ってきたのは、ひとこと。
「ごめん…」
彼女は寺の息子が好きだったのだ。
まあ、確かに彼はいいやつだった。
この挫折が僕にとって最初の「大きな失敗」だった。
でも、それを乗り越えたことで、少しだけ自分の殻を破ることができた気がする。
そのように中学を過ごした僕はさぼりながら塾に通い
区内の中間より少し下の道立高校に入学した。
そして高校生になり、斜に構えだした僕に人生最初の転機が訪れる。
続きは、次回。
「白血病の少女が教えてくれた命の重み」
リンネラボで提供している
各種ご相談のご案内です。
ご予約お問い合わせは公式LINEからどうぞ。
公式LINE登録特典
- 毎月2回の星予報配信
- 初回20分無料相談